2012年1月25日水曜日

言わないでね……

あるところで、大人が子供たちに
こう言っていました。
『お友だちから相談されて、「言わないでね」と
言われたことは、他では言ってはいけません』。

私は心の中で「そうなの?」と、
疑問に思いました。
こちらが「教えて! 誰にも言わないから」
と言ったのならまだしも、(それでも、
 小学生が口をつぐむのは、難しいかもしれない)
勝手に相談してきた相手が「言わないでね」と
言ったら、言ってはいけません……って、
すっごいストレスがたまりそう。

その方のお話は、「一人で悩みを抱え込まないで」
という内容で、まずは誰にでもいいから相談しましょう。
その後、聞いたお話は人に言わないように……という
流れではあったものの、それでは、
相談された方が、一人で悩みを抱え込んでしまう。

私は家に帰って、娘たちに説明しなおしました。
もし誰かが自分に秘密を打ち明けそうになったとして、
自分は秘密にはできないかもしれないと思ったら、
「ごめん、聞かないでおくね」と言ってもいいんだよ。

聞いてしまったとしても、辛くなったら
一人で抱え込まなくていいんだよ。
誰かに吐き出さないと自分が苦しくなるなら、
この人なら信頼できると思う人に
話してもいいんだからね。

そして大事なことがもう一つ。
『壁に耳あり、障子に目あり』。
自分が話したことは、どこかから
漏れてもそれは仕方がないこと。

だからこそ、話す人を自分でちゃんと選ぶんだよ。

自分のしたことを人のせいにはできないから、
「言わないでね」というよりは、
話す人を自分で選ぶことが大切だと
わかって欲しいのです。

おいしいものを目の前にして
おしゃべりすると、娘たちとは
会話がはずみます。これは
娘たちの大好物。
『モンロワール』の「リーフメモリー」


2012年1月21日土曜日

あとに続く言葉

「そうなんだけど……」
私の話を聞いてから、
そう言って、夫が会話を止めました。

「ごめん、その『けど……』の後、
続けてもらってもいい?」

「え?」

「けど……ってことは、違う思いがあるんだよね?
言ってもらわないとわからないんだ。
ここでやめちゃうと、『こうかな?』
『ああかな?』って、変に想像しちゃうし」

「いや、たいしたことじゃないんだよ」

「それでもいいよ。言ってみて」
夫をジーっと見て、口が開くのを待ちました。

「うん。まあ、君の言う通りでもあると思うし、
 でも~~だとも思うんだよね」

なるほど!そう思ったか。
やっぱり続けてもらって良かった。
彼の思いを、私は想像できなかった。

たとえ夫婦でも、夫は夫、私は私。

彼の気持ちの全てをわかることはできないから、
どう思っているかは伝えたいし、聞いてみたい。

急に、「オリーブを植えたい」と言って、
オリーブを買ってくる、そして植える
夫の気持ちは、私にはわからない。

2012年1月18日水曜日

怒らないの?

先日の講演会で、
「自分の物事の捉え方で、
思いは変わってきますよ」と、お話をしました。

すると、帰り際エレベーターでご一緒した方が
「先生(なぜか講演会では先生と呼ばれて
ビックリする)は、怒ったりはしないんですか?」
もちろん私の返答は、「いえ~、怒りますよ。
腹が立つことだってあります」

でもね、大事なのは、そこから先だと思うんです。
「むかつく!腹立つ―」と、いつまでも
自分の中で怒りを増やし続けるのか。

「もう過ぎたこと、怒ってもかわらない。
とにかく、必要なこと、伝えたいことを
相手に伝えよう」と思うのか、
「腹を立てると結構疲れるし、
気持ちが乱れるんだよね、やめよ」
そんな風に自分に言って、怒りを鎮めるのか。
それは、その人次第です。

人の感情は、自然と感じるものでもあるし、
コントロールできるものでもあるのです。


私は海を見て育ったから、
こうして水のある景色を見ると、
とても安心します。
宮城県の万石浦。

2012年1月15日日曜日

何事にも最初はある

私はずっと臆病でした。
大人になってもそれは続き、
なかなか新しいことに
チャレンジできずにいました。

なぜって、失敗するのが怖かったから。
“良い、悪いの判断は人それぞれ”、
とわかっていても、周囲の反応が怖かった。

たくさんの失敗を繰り返した今なら、
失敗も経験。「そこからわかることもあるさ」
と思えるのだけれど、その頃は
「失敗は許されないですから」なんて
言葉を私に向ける人がいたら、
ますます足は前にむかず……。

先日、私の人生で3回目の講演会を
開きました。正直、私、人前は苦手です。
「読者モデルとして雑誌に出ているのに……」と
言われますが、あれは私が人前に出ているのではなく、
写真が人前に出ているだけ。

大勢の人を目の前にすると、
緊張してのどはカラカラに乾くし、
何度も練習したはずなのに
次に何を話すのか、一瞬飛んじゃうことも。

それでも、1回目、2回目に比べたら、
少しリラックスできたし、結果よりも、
“伝えたい”という思いの方が大きかった。

今は思います。緊張感いっぱいの
最初がなかったら、今回の私はないな。
前回、前々回の反省点が、今の役に立っていると。

「誰にでも、何にでも、最初はあるんです」。
何かを始めようとして、一瞬躊躇するとき
ある方に言っていただいたこの言葉を、
自分に向けることにしている私です。
なかなかテニスが上手にならなくて、
失敗しては、しょげていた次女。

今は少し成長し、「私はまだ下手だけど、
上手な人の中に混じってやるのはいいね」と、
楽しんで続けています。きっといつか、
そうして乗り越えたことが力になるよ。

2012年1月10日火曜日

素敵をめざして


私たちって言葉で自分を表現するけれど、
言葉がなくたって、実は態度で、
十分に自分を、自分の気持ちを表現しています。

例えば視線、表情、手足の動き、
座り方、姿勢、洋服、メイク。

話している時には、話すテンポ、
声の大きさ、口調……などなど。
嫌だなと思えば、人は自然と嫌な顔をするし、
好きな人に会えば、楽しければ、
ちゃんと目が笑った笑顔になる。

だらしない座り方をしている人を見て、
“きちんとしている人だな”と思うのは
難しいし、ものすごい勢いで話す人を見て、
“おっとりしている”とは思わない。

そう考えると、自分の印象というのは、
自分で作っているし、変化もさせていける
ものなんじゃないかと思います。

間もなく40代に突入する私。
自分らしいもいいけれど、少しだけ
“素敵”を目指して、自分を変化させるのも
いいのかも……なんて思ったりしています。
まずは姿勢と座り方に気をつけて、
凛とした印象の自分を目指そうかな。

*若松美穂さんのナビゲートによる「第1回ペンギン茶話会」のレポートもぜひ、お読みください。
今年の冬、私が選んだバッグはこれ!
いろんな色が使われているから、
どんな洋服にも似合って便利です。

2012年1月6日金曜日

生きている人のことを……

大切な人が亡くなった時
ひとしきり泣いた私の背中を
さすりながら、夫が言いました。

「悲しいけれど、今はとにかく
生きている人のことを考えよう」。

その言葉で、私は娘たちの母親であることを
家族を支える立場でいる自分を再認識しました。
ただただ悲しんでいるわけにはいかない。
私たちは、今もこの瞬間を生きている。

亡くなった人のことは、頭から離れるわけがない。
だからこそ、その人へのおもいを胸に抱えつつ、
その人が大切にしてきた人たちのことを思おう。

面白いことがあれば笑い、共に食べ、共に眠る。
皆が元気に過ごすことが、
何よりも天国からの願いのはずだから。



きっと、どこかから見てるもんね