2012年11月28日水曜日

意外な人に救われる



「親孝行していれば
きっと いいことがあるよ」
 
そう言ってくれたのは
数カ月に一度 
契約に訪れる新聞屋さん
 
「お母さん まだ一緒にいるの?」
 
「えぇ 帰るところがないですから」
笑う私に 向けてくれた言葉
 
いつもと変わらず 特に
愛想が良いわけでもない表情で
でも まっすぐに
言ってくれた
 
 
「きっと いいことがある」

 
気持ちが温かかった
ジワ~っと胸に染みた
 

人は 
意外なところで救われる
 
意外な人に救われる
 
 
「きっといいことがある」

時々 つぶやいてみる
11月の中旬
以前の町並みは 平らに

一瞬
どこに自宅があったのかわからず
通り過ぎてしまった
いとこも私も
ショックを受ける

自宅跡の向こうの岸壁に
 多くの船が停まっていたことが
何よりも嬉しかった



2012年11月20日火曜日

あの時こうすれば……


「どうしてあの時」

「こうすればよかったはずなのに」

何度も過去の場面を想像し、
自分を責めて、
辛くなっている方がいらっしゃいます。

そんな時、私は、
その方と、戻りたい場面に
一緒に戻ってみることにしています。
「こうしていたら」と思うように、
想像の中で動いてもらう為です。

ところが、イザその場面になると、
彼らの口から、こんな言葉が出ます。

「あっ、でもやっぱりできないかも」

「だって、あの時には」

「こんなことになるとは
 思わなかったら、結局、
 同じ行動をとるような気が……」

今ならできても、
違う行動をとりたいという思いはあっても、
「あの状況ではできなかった」
と気がつくのです。

『今思えば』ということ、
ありますよね。

自分が違う選択をすれば、
結果は違っていたのではないか、
もっといい方向に
向かっていたのではないか。

でも、何度同じ場面に戻っても、
その行動が、
自分の精一杯だったのです。

「だから、あれで良かったんだ」と
自分にOKを出せるのが
一番良いのだけれど、
そんなことばかりでもない。

選択肢がみつからなかったし、
あったとしても、
他の選択肢は選ばなかった。
「それしかなかった」のかもしれない。

どちらにしても、
そうして納得することで、
あきらめることで、
前に進める事も
あるのかもしれません。

 
震災後、「ああすれば」
「こうすれば」は私の中にも
たくさんあって……。
 
ただ、どんなに後悔しても
私の過去は変わらない。
 
だから、今と未来を生きる。
 




2012年11月15日木曜日

マイナスの気持ちを大事にする

私は基本プラス思考ですが、
時には、マイナスの感情が、
大きくなってしまうこともあります。

特に、体調がすぐれない時には
なおのこと。

「あぁ、悲しいな~」 そう思った時、
以前の私なら、
「イヤ、悲しくなんかない!」
「そんなことを思うのは 私らしくない」
そうやって、自分を奮い立たせて いました。

でも最近は、ちょっと違う。

感じないことにしても、
あまり意味がない。
悲しさはまた湧きあがってきて、
頑張って否定して、
でもまた湧きあがって
……の繰り返しになるから。

だから、自分の気持ちは否定せず、
素直に認める。

悲しみと、ちゃんと向き合うことで、
わかることもあるし、解決策が
見つかることもあるから。

「あんなこと言われて、悲しかったんだね。
 そうだよ、悲しかったよ」って、
自分で自分に言ってみるんです。

ちゃんと悲しみに浸ると、そのうち
「まあ、このまま悲しみ続けても
 何も変わらないから
 もうそろそろ“悲しみ”から
 脱出するか」と思えたり、

「悲しいと思っていたけれど、
 本当は 悔しかったんだな。
 じゃあ次、  悔しくない 思いをするには
 どうすればいい?」 と思えたり、

「解決策はないけれど、この件は、  
 悲しかったってことで 終わりにしよう。  
私は、こういうことを嫌だな、
悲しいと感じるんだな」と
自分の気持ちに 気がつくこともあります。



一人会話、 ちょっと
寂しいヤツ みたいですね(^^ゞ

でも、どんなに人に励ましてもらっても、
「こう思えばいいよ」と 助言をもらっても、
それが 自分の気持ちにピッタリこなければ、
結局、同じところを ぐるぐる回るだけ。

だからこそ、 自分が納得できる答えを、
自分で見つけるのが良い。

「私、悲しいよ」
自分の悲しみを
しっかりと受けとめてみると、
またちょっと違う感覚を
味わえるのかもしれません。

なぜって聞かれたらわからないけれど
悲しい時のお酒はやっぱり日本酒。


2012年11月8日木曜日

あの時には……

私の祖母は、10年以上認知症です。

今では寝たきりですが、
私が施設の部屋に入るなり、
「お~、おばあちゃん!」と
手をあげると、祖母も
嬉しそうに片手をあげ、
ハイタッチをしてくれます。

先日こんなことが……。

祖母が、自分のベッドの
足元に置いてある座布団を指さし、
「これ美穂?」と母に聞いたのです。
私と母は顔を見合わせ
アハハハ~と笑いました。

どうして笑っているのか
わからなくても、
私たちが笑っていると、
その空気を感じて、
祖母も一緒に笑います。

認知症の症状は人それぞれですが、
記憶が過去に戻る人も多くいます。

祖母も、自分の若い頃に
戻る時があり、今回は孫の私が、
ベッドに横たわっている
赤ちゃんの時代に戻ったようです。

苦笑していた母ですが、
その後祖母は、母の顔をじーっと見て、
「〇〇はどこ?」と、
母の居場所を聞いたんです。
(母だとわかる時ももちろん
 あるんですよ。それも、
 その瞬間、瞬間で違うんです)

「座布団と間違えられる私を
 笑っていられないね~」と、
さらに母と二人で笑いました。

今、こうして笑っていられる
私たち家族にも、
辛い日々がありました。

祖母の記憶が失くなることや、
おかしな発言や行動を
受け入れられなかったり、
認知症への対応の仕方を
わかってはいても、
上手に対応できずにいたことも。

でも、長い長い年月を経た今は、
私たちの事がわからないからって、
私たちが訪れたことや、
したことを忘れたからって、
がっかりすることも、
悲しむこともありません。

重要なのは、彼女が
元気でいること……だから。

こう思えるようになったのも、
自分自身の気持ちと葛藤し、
試行錯誤する時間があったから。
あの時は、こうして笑える未来が
あるなんて、考えられなかったな。


ペンギンのお茶会を、石巻で開催します!

今回、念願かなって、仙台・石巻でも開催できることになりました!
お近くの方は、ぜひいらしてください。
ナビゲーター・若松美穂(心理カウンセラー・エッセイスト)
『サンキュ!』や『ESSE』などの生活情報誌で人気のカリスマ主婦。著書『少しのお金で豊かに暮らす65のヒント』(sasaeru文庫)、『私と家族のしあわせ時間』(扶桑社)、『お金をかけない暮らしハッピー・テク』(ベネッセ・ムック)ほか多数
テーマ「家族について」
夫婦の関係や子育て、親との付き合い方など、家族に関することで日ごろ悩んでいること、心配なこと、ちょっと心にひっかかっていることなどを、気軽におしゃべりしてみませんか? 心の中に閉じ込めていたことを外に出すことで、気持ちが少し軽くなるかもしれません。


★ペンギンのお茶会・IN石巻
日時 11月18日(日) 10:30~12:00
会場 石巻駅から徒歩8分程のところです。詳しい住所は、お申し込みいただいた方にお伝えいたします。

いずれも、定員 6名(女性のみ・先着順)
会費 1000円(お茶菓子つき)
お申込み先:contact
※必ずお名前、年齢、住所(市区町村まででOK)、お電話番号を明記のうえ、「石巻お茶会参加希望」と明記して、11月10日(土)までにメールにてお申し込みください。折り返しご連絡いたします。